特典 16 / 動画連動
NTT株 解説資料
210円はどこから出た数字か、9月28日までに何をするか
2026年9月18日の終値177円30銭を基準にしています(9月19日〜23日は休場)。
この資料の数字は、すべて会社が出した資料と取引所のデータから取っています。出どころは最後にまとめてあります。
1. いま何が起きているか(3行)
- 9月17日、NTT株の終値が180円ちょうどになりました。
- 翌18日は180円で始まったあと176円20銭まで下げ、177円30銭で終わりました。出来高は前日より46.1パーセント増えています。
- 9月16日、SBI証券が目標株価を167円から210円へ引き上げました。8月28日以降に目標株価を出した4社のうち、210円は1社だけです。
8月28日以降に出た目標株価(4社)
表は横にスクロールできます
| 変更日 | 証券会社 | 目標株価 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 8月28日 | ゴールドマン・サックス証券 | 179円 → 191円 | 買い(据え置き) |
| 9月10日 | 米系大手(社名は公表されていません) | 150円 → 170円 | 中立(据え置き) |
| 9月14日 | 米系大手(社名は公表されていません) | 160円 → 188円 | 中立(据え置き) |
| 9月16日 | SBI証券 | 167円 → 210円 | 買い(継続) |
2. 100株買うと、いくらで、いくら戻るか
| 項目 | 金額(すべて税引前) |
|---|---|
| 取得金額(9月18日終値) | 1万7730円 |
| 年間配当 | 540円(1株5円40銭・会社予想) |
| 9月28日までに買うと受け取れる中間配当 | 270円(1株2円70銭) |
| 残りの270円(期末配当・会社予想) | 2027年3月末まで持っていた人に出ます |
- 中間配当の基準日は9月30日、権利落ちは9月29日です。そこから逆算すると、9月28日までに買っておく必要があります。
- 支払時期は11月(予定)。会社は支払開始日をまだ公表していません。
3. 210円という数字の中身(挙げられた理由は5つ)
SBI証券が210円の理由に挙げたのは、報道によれば次の5つです。どれが1つ目かという順番は、レポート本体が公開されていないため分かりません。
| 挙げられた理由 | 会社の資料での確認 |
|---|---|
| 第1四半期の営業利益4,251億円(前年比+4.9%) | 決算説明会資料p.7に「4,251億円(対前年+200億円〔+4.9%〕)」と印字 ✅ |
| ドコモの第1四半期営業利益2,462億円 | ドコモの公式資料p.2に印字 ✅ ただし対象はドコモグループ(総合ICT事業)。ドコモ単体の決算は2020年の上場廃止以降、公表されていません |
| NTTデータの受注残高5兆3,896億円 | NTTデータグループの説明会資料p.18に「DC事業以外 53,896」と印字 ✅ データセンター事業を除いた数字です(総額は8兆7,099億円/うちデータセンター事業3兆3,203億円) |
| モバイル通信サービス収入の底打ち感 | 下の4を参照 ⚠ |
| 中期経営計画の達成確度が高まる | 下の4を参照 ⚠ |
※ SBI証券のレポート本体は公開されていません。上は報道が伝えた範囲です。
4. 会社が書いていないこと(2つ)
① 「底打ち」という言葉は、会社の資料に1つもありません
モバイル通信サービス収入の前年比は、たしかに減り幅が縮んでいます。
| 四半期 | 前年同期比 |
|---|---|
| 4四半期前 | ▲2.53% |
| 3四半期前 | ▲1.62% |
| 2四半期前 | ▲0.81% |
| 前四半期 | ▲0.83% |
| 今回(第1四半期) | ▲0.33% |
ただし会社の通期予想は▲1.03%です。第1四半期の▲0.33%より、これから減り方が大きくなる前提で置かれています。
会社の資料4本(決算短信・決算補足資料・決算説明会資料・NTTデータグループ説明会資料)を全文検索しましたが、「底打ち」「下げ止まり」という言葉は0件でした。
② 中期経営計画は、2026年5月8日に作り直されています
- 新しい目標は2030年度にEBITDA 4兆円・ROIC 5.5%
- 旧目標(2027年度)については、会社自身が「2027年度の目標達成が難しい状況」と書いています
つまり「中計の達成確度が高まる」と言われている中計は、達成が難しいから作り直した後のものです。
5. IOWNは決算のどこにあるか
| 資料 | 「IOWN」の出現回数 |
|---|---|
| 2026年度第1四半期 決算短信(15ページ) | 0回 |
| 補足資料(29ページ) | 0回 |
| 決算説明会資料 | 11回(ただし金額の記載は1件もありません) |
会社が業績を分けて報告しているのは4つ(総合ICT/グローバル・ソリューション/地域通信/その他)で、IOWNという区分はありません。
一方で、株価が実際にIOWNで動いた日はあります。8月31日、自衛隊の情報基盤にIOWNを導入すると報じられ、終値は172円50銭。前の営業日(8月28日)の終値168円60銭から2.31パーセント上がりました。この日が、2年で終値170円を超えた14日のうちの最初の日です。
つまりIOWNは「株価は動くが、まだ金額になっていない」段階です。
6. 9月16日に、もう1つ出ていたこと
同じ9月16日、ドコモが34万4213件の電話番号を、契約者の同意を取らないままアマゾンジャパンへ提供していたことを明らかにしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 渡った情報 | 電話番号と契約している料金プラン名の2つ。氏名・住所・クレジットカード情報は含まれません |
| 対象期間 | 2026年4月21日 〜 8月20日 |
| 対象プラン | ドコモMAX/ドコモ ポイ活MAX/ドコモ ポイ活20/ドコモmini(いずれもAmazonプライムの特典が付くプラン) |
| 対象の手続き | 「ドコモオンライン手続き」での申し込みのみ。機種変更などで使う「ドコモオンラインショップ」は対象外 |
| 原因(会社の説明) | 2026年2月25日、同意事項の見直し作業で第三者提供の個別同意の記述を誤って削除。会社は「削除すべきでない事項を削除した人的ミス」と説明 |
| 経緯 | 8月18日に把握 → 8月20日に修正 → 8月21日に総務省へ報告 → 9月12日にアマゾンが削除(ドコモが確認)→ 9月15日に対象者へSMSで個別通知 → 9月16日に公表 |
| 自社サイトでの発表 | ありません。電気通信事業法にもとづく「特定利用者情報の漏えい事故の公表」ページは、2024年4月12日時点の「なし」のままで、本件は掲載されていません |
株価の反応:公表日の9月16日の終値は177円10銭で、前日から1円下げただけでした。翌17日は180円まで上がっています。売る理由としては働いていません。
7. 目標株価の平均は、株価の後を追っています
証券アナリスト11人の目標株価の平均(コンセンサス)と、その日の株価を並べたものです。
| 日付 | 11人の目標の平均 | その日の終値 | 差 |
|---|---|---|---|
| 8月19日 | 172円 | 159円40銭 | +12円60銭 |
| 8月27日 | 175円 | 168円20銭 | +6円80銭 |
| 9月9日 | 176円 | 172円20銭 | +3円80銭 |
| 9月11日 | 178円 | 175円70銭 | +2円30銭 |
| 9月18日 | 184円 | 177円30銭 | +6円70銭 |
9月11日に差が2円30銭まで縮んだあと、その1週間後に平均が184円へ上がって差がまた開きました。株価が目標に追いつくと、目標のほうが上がる形です。
同じ時期に出ている、ほかの数字
| 出どころ | 数字 | それが意味すること |
|---|---|---|
| SBI証券(9月16日) | 210円 | ここまで上がるという目標株価 |
| アナリスト11人の平均(9月18日) | 184円 | 目標株価の平均 |
| みんかぶ「証券アナリスト予想」14人の平均(9月22日) | 177円 | 別の集計による目標株価の平均 |
| みんかぶ「独自の目標株価」(9月22日) | 161円 | 同社の総合判断 |
| みんかぶ「AI株価診断」の理論株価(9月22日) | 140円 | 目標ではありません。「株価がこれを割ると割安圏内に入る」という下の目安。同診断は今の株価を「割高」と結論づけています |
8. 配当から出す、買っていい株価
1株あたりの年間配当5円40銭を、欲しい利回りで割った株価です。
| 欲しい利回り | 買える株価 | 9月18日の177円30銭との差 |
|---|---|---|
| 2.8% | 192円86銭 | +15円56銭(今より高い) |
| 3.0% | 180円00銭 | +2円70銭(今より高い) |
| 3.2% | 168円75銭 | ▲8円55銭 |
| 3.5% | 154円29銭 | ▲23円01銭 |
| 4.0% | 135円00銭 | ▲42円30銭 |
- 9月18日の177円30銭は、配当利回りにすると3.05パーセントです。東証プライム市場の平均は2.17パーセント(2026年8月の月中平均)。
- 9月17日に付けた180円は、ちょうど3.0パーセント。180円を超えると3パーセントを切ります。
配当が増えるのを待つ場合
- 配当が6円になれば、200円で買っても3.0パーセントです。
- 配当は2025年度の5円30銭から2026年度は5円40銭へ、1年で10銭増えました(2024年度は5円20銭)。このペースが続いた場合、6円まで6年かかります。
- ただし6円になった時点で、今177円30銭で買っている人の利回りは3.38パーセントです。200円で買った人(3.0パーセント)より上になります。配当が増えて得をするのは、安いうちに持っていた人です。
9. 数字で見た「今」のまとめ
| 見るもの | 9月18日時点 |
|---|---|
| 株価 | 177円30銭 |
| 予想PER | 14.65倍(東証プライムの平均は19.3倍・2026年8月時点) |
| PBR | 1.464倍 |
| 配当利回り | 3.05%(プライム平均2.17%・2026年8月の月中平均) |
| 通期の最終利益 | 前期より5.5%減る予想(5月に出してから変えていません) |
| 自社株買い | 上限2,000億円のうち約608億円を実施(8月末時点) |
| 株主数 | 3,386,781人(2026年6月30日現在) |
次に数字が動くのは11月の第2四半期決算です(日付は未公表)。そこで見るのは、この資料の3で挙げたドコモの営業利益とNTTデータの受注残高、そしてモバイル通信サービス収入の減り幅です。210円という数字は、この3つが続くことを前提に置かれています。
数字の出どころ
- 株価・出来高:日本取引所グループの相場表、Yahoo!ファイナンス、株探(2ソースで一致を確認)
- 決算の数字:NTT「2026年度第1四半期決算短信〔IFRS〕」(2026年8月6日開示)、同 決算説明会資料、同 補足資料
- ドコモ:NTTドコモグループ「2026年度第1四半期 決算の概要」
- NTTデータ:NTTデータグループ 決算説明会資料
- 中期経営計画:NTT「中期経営戦略の一部見直し等に関するお知らせ」(2026年5月8日開示)
- 配当・株主数:NTT公式サイト「株式の概要」「配当金」、決算短信 表紙「2.配当の状況」
- 目標株価:トレーダーズ・ウェブ(2026年9月16日)、時事通信、IFIS株予報、株探レーティング日報、みんかぶ
- ドコモの情報提供の件:ケータイ Watch、ITmedia NEWS、日本経済新聞(いずれも2026年9月16日)
- 市場平均:日本取引所グループ「規模別・業種別PER・PBR」「株式平均利回り」(いずれも2026年8月分)
本資料は投資教育・情報提供が目的で、特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。
個別企業への言及は、各社の公式発表など公開情報にもとづく解説です。
数字は2026年9月18日終値時点のもので、正確性や将来の結果を保証しません。
投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。